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「ONE LITTLE SONG」
2023年11月23日-26日に東京都現代美術館で開催された「TOKYO ART BOOK FAIR 2023」に参加しました。「ONE LITTLE SONG」という漫画作品を出品しました。東京の森下にある印刷工房「乱数沼」の濱中さんに印刷・製本をしてもらいました。
(本の紹介)
「ONE LITTLE SONG」について・・
(どんな漫画?)
小屋に犬と暮らしながら、晴れの日は庭仕事をして、雨の日は物語を書く男のひとが出てくる漫画です。
(本の特徴は?)
文庫サイズの赤い本です。小部数、リトグラフ刷りです。本の形はレクラム文庫(岩波文庫がモデルにしたドイツの文庫本)をイメージしたシンプルなものです。
(漫画制作について)
5コマの定型のコマ割りで、1ページ1話というスタイルで77ページあります。制作期間は実は正確に覚えていないんですが、少しずつ描いてきたので7-8年は少なくともあります。自分の「マルテの手記」を漫画で描きたいと思って始めた記憶があります。5コマ1枚のスタイルは、生活や仕事の合間に描き続けるのにちょうどよい単位だったという理由が大きいと思います。紙はB6版の「コレクト情報カード無地」、ペン先はスクールペン・墨汁が主です。
(漫画について)
小さな唄を集めたような作品で、強い軸があるような漫画ではないですが、描くときに意識したことは、「インフラ的なもの・因果のようなもの」をあえて描かないようにしようと思いました。作中にでてくる生きものは、どこからきて、なぜ書くのか、どうやって生計をたてているのか、燃料やゴミはどうしているのか、そういうことを想像はしても描かないように決めました。そうすると、どんな作品になっていくんだろうと思いながら描き進めました。描き終えて、振り返ると、「書くと読む」「ケアするケアされる」そういうものが唄みたいにひとつになるといいなぁと毎回どこか共通して考えていたことを思い出しました。